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アフリカ大陸編
  5: マンデカルー「Keme Bourama」
PB:歌っているのはセクバ・バンビーノ・ジャバテという人で、今年の5月に来日して日比谷公園で歌いました。このマンデカルーというプロジェクトは、マンデ音楽のほんとにトラディショナルなことをやっている人たちが一同に介したもので、参加メンバーが個別に出しているものはかなりモダンなものが多いんですけど、たまにはトラディショナルに徹したものを作ろう、という試みだったようです。去年のベストのひとつでしたね。

◎Mandekalou『The Art And Soul of the Mande Griots』(Melodie)より


6: アリ・ファルカ・トゥーレ&トゥマニ・ジャバテ「Kaira」

関口:前半の最後はピーターさんのセレクションで、アフリカからアリ・ファルカ ・トゥーレとトゥマニ・ジャバテでした。

PB:ほんとはもっと長く聴かなきゃいけない音楽なんですけどね(^^;)。トゥマニ・ジャバテという人は、今40歳ぐらいで、コラという楽器の演奏者です。彼が89年に出したこの曲と同じタイトルのアルバムを聴いて、ものすごく大衝撃を受けたんです。そのすぐあとに来日したんですが、世田谷美術館でコンサートを見たときは、これまたもうほんとに打ちのめされましたね。彼のお父さんのシディキ・ジャバテもコラ奏者としてマリでは超有名人ですが、どうやらトゥマニは独学でマスターしたようです。とにかく、彼のテクニックを見たら思わず目を疑ってしまうくらいにうまいんです。一緒にやってるアリ・ファルカ・トゥーレというギタリストはマリの北の方、ニアフンケっていう、サハラ砂漠のはじっこのほうの人です。アリ・ファルカ・トゥーレがやってるのは、トゥマニのとは音階も違うし、もっとブルーズのルーツみたいな音楽なので、本来ならこの二人は一緒に音楽をやる同士ではないんですけど、すごくうまくいってます。

◎Ali Farka Toure & Toumani Diabate『In The Heart Of The Moon』(Nonesuch)より

 

地中海文化圏編
  7: オホス・デ・ブルッホ「Quien Engana no Gana」
PB:5月の来日公演は今のところ今年のベスト・ワンだな。すばらしかった!さきほどエレクトロニックなリズムを受け付けない身体だと言いましたが、例外もあります。これがまさにそれなんですけど(笑)。バルセロナの若いグループで、お聞きになって分かるとおり、フラメンコが基盤になってますが、ファンクやヒップホップ、ちょっとインド音楽っぽい要素もあったり、とにかくなんでもかんでも全部ごちゃまぜにしてるんだけど、自然体でエネルギーに溢れてます。DJもメンバーの一人なんですが、彼もすごくエンターテイナーで、ほかのミュージシャンとうまくかみ合ってる。それと、ビデオ担当のメンバーもいるんですね。ライヴではビデオの使い方も名人芸といっていいものです。彼らは大手のレコード会社と手を結ぶつもりはまったくなくて、あくまでインディーズでいく。それはそれでいいと思います。とにかくすごく注目したいグループです。

◎Ojos de Brujo『バリ』(ビーンズ・レコード)より


8: ムシュー・テ・エ・レイ・ジョヴァン「Bolega Banjo」
北中:フランスのマルセイユのグループです。マッシリア・サウンド・システムっていうレゲエのバンドが活動を停止したあとにそのうちの二人が始めた新しいバンドですね。この秋にフランスの若者たちの暴動がありましたが、マッシリア・サウンド・システムというグループは人種差別に反対してきて、ボブ・マーレーを聴いてレゲエを選んだという、ちょっと政治的な姿勢も強い人たちです。いまかけた曲ではバンジョーが聞こえましたけど、フランスの音楽でバンジョーなんて珍しいですよね。雑誌の記事によると、30年代あたりにジャマイカからバンジョーを持ち込んでストリートで歌っている人がいて、その人の伝記が最近出たらしいんです。そんなことからもインスパイアされて、もともと奴隷貿易でも栄えた港町で、そういう民衆の交流の歴史のある街としてのマルセイユをもっと掘り返して、新しい感覚でアコースティックにやってみたい、ということで始めたそうです。アルバムではスライド・ギターなんかも使っていて、アメリカのルイジアナでフランス系の人たちがやってるケイジャンなどに通じるような音楽もやってます。

関口:なるほど。すごく面白い音でした。

◎Moussu T e Lei Jovents『Mademoiselle Marseille』(Manivette)より


9: ラジオ・タリファ「Bulerias Turcas」

PB:タリファはジブラルタル海峡に面した、スペインで一番モロッコに近い街の名で、ラジオ・タリファは、「もしタリファにラジオ局があったらどういう音楽を放送するだろうか?」という発想で音楽をやっているグループです。基本的に3人組なんですけど、フラメンコっぽいところもあるし、お聞きのとおり北アフリカのフルート、ネイを使っていたり、曲によってはスペインの中世の音楽の要素が入っていたり、いろんなものが混ざってるグループですね。

◎Radio Tarifa『Fiebre』(World Circuit/Nonesuch)より


10: ラム・デ・フォック「口は厄(Per la boca)」

関口:いやむっちゃくちゃかっこいいですね! 大好き。

北中:これはスペインの地中海に面した中部バレンシア地方のグループです。もともと彼らはこういう音楽をやっていたわけじゃないようなんですが、だんだん地中海の音楽が面白い、と思うようになって、ギリシャまで音楽の勉強に出かけたりもしてます。

関口:これは確か3枚目のアルバムですね。全部聞いてみる価値があると思います。

◎L'Ham De Foc『コル・デ・ポルク』(ビーンズ・レコード)より


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